ジムボタンの機関車大旅行(ミヒャエル・エンデ)
1960年に出版された、エンデの一作目。モモやはてしない物語も良いけど、これも良い。1作目ってさ、その作家の全部が詰まってるんだなといつも思う。
お話の世界でエンデ自身が遊んだらこうなった!という作品だそうで、
おとなになっても、コドモゴコロを失わない、翼の生えた想像力と、それを物語にする創造力を持った人だということがよくわかる物語。
当時のドイツの出版業界ではファンタジーは全くウケなくて、なかなか出版が決まらなかったらしいけど、出版したらそれはもう子どもたちにウケまくった、というこのおはなし。
なるほど、たしかに、この面白さは子どもゴコロじゃないとわからない面白さなのよね。最初の設定や途中途中もえっ?とびっくりするようなヘンテコ。そう。子どもならゲラゲラ笑い転げる。えー?っていうありえない不思議な不思議さ。
読みながら慣れたけど、、、やっぱり子どもの時に読んでおくべき一冊であることは間違いない。
ジムとルーカスは、旅の途中で本当に様々な困難にぶち当たるけど、へえ!っていうような素敵な方法で解決してゆく。個人的には、助けたお姫様とジムは婚約するけど、ものすごい価値観の相違があって、これ(笑)大丈夫なのかなあ(笑)と思ったけど(笑)余計なお世話か(笑)
こんなタイミングでツイッターの宮崎駿BOTでこんなツイートがあった↓
「児童文学というのは、人間の存在に対する厳格で批判的な文学とはちがって、「生まれてきてよかったんだ」というものなんです。生きててよかったんだ、生きていいんだ、というふうなことを、子どもたちにエールとして送ろうというのが児童文学が生まれた基本的なきっかけだと思います。」
そういう意味も含めてこの作品は、まさにザ・児童文学だなあ、と。
すべてがうまくいく、全部大丈夫な、ほんとうに不思議な不思議な素敵な世界。
この物語を読んで育った方々が、大きくなってモモやはてしない物語の読者になった。
この岩波少年文庫で出版されたのは2007年だけど、この作品を少年文庫に追加したいと考えた担当者の方も、子どもの頃に繰り返し繰り返し読んだ作品なのだそうな。そういうところに感動してしまう。
このお話は続きがあって、それは何故か買ってあるのだった、、、
小包みに入れられて、間違いでフクラム国に届けられたジムボタンの、出生地が明らかに?なるの?かなあ?(笑)
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